天ぷらを揚げて浅漬けをつまんでいます
浅漬けには面白い話があります
小沢昭一的こころ 風に
お父さんは会社が終わると電車に乗って家へ帰ります
郊外の駅で電車を降りると駅の近くの居酒屋でお通しの浅漬けをつまみながらビールを飲むのを楽しみにしていました
顔なじみの客に挨拶をして肴をたのんで 今日も終わった と力をぬきます
時々は近くにあるこぎれいな小料理屋にも寄ります
家に帰り奥さんに あそこの居酒屋 の浅漬けは旨いんだと話しました
奥さんは あらそうなんですか 私も味見に行ってみようかしら と言い お父さんは仕方なしに それはいいね と答えました
奥さんが居酒屋に行く回を重ねるうちに あなた電車に乗るとき電話をください 一緒に飲みましょう という事になりました
そのうち月に何回かは居酒屋に子供達を呼んで食事をすることになりました
お父さんは普段話さない子供たちと話せて嬉しくて仕方がありませんでした
そうするうちにお父さんは溜息をつくようになりました
家族仲が良くなったのはいいんですが自分一人でくつろぐ場所が無くなってしまったんです
男とは複雑な動物ですね
これは私の知り合いの本当の話です
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